Blog

新型コロナウイルスがもたらした時代の変化

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が世界的に蔓延し、数々の常識が変化しました。

日本では「新しい生活様式」として、人と人との社会的距離「ソーシャルディスタンス」を取ることが良しとされました。

ニュースでは連日「緊急事態宣言」「ロックダウン」と言った強い語調が並び、「#StayHome」と言うハッシュタグの流行は、外出し会食するだけで芸能人が炎上するほどの影響力を持つようになりました。

新型コロナウイルスの流行によって、まさに時代が変わろうとしています。感染症は人類の歴史の中で何度も歴史を変えてきました。新型コロナウイルスの流行による時代の分岐点を3つのフェーズに分けて解説します。

感染症流行がもたらした3つの時代

beforeコロナ時代

新型コロナウイルス流行前の2019年以前を「boforeコロナ時代」と呼びます。

人々は自由に集会を行うことができ、イベントやコンサートライブなど日常的に行われていました。

withコロナ時代

新型コロナウイルスが流行した2020年から流行収束までの期間を「withコロナ時代」と呼びます。

感染抑止のための生活の変化

このウイルスは人から人への飛沫感染、接触感染が主な感染経路となることが知られています。人々は、接触を避け、飛沫感染の有効範囲と言われる約2m離れて生活することが広く浸透しました。

これを「ソーシャルディスタンス(社会的距離)」と呼び、駅や店舗、公共機関に多く推奨のメッセージが広告として目につくようになりました。

また、飛沫を飛ばさないようマスクが一斉に購入されたため、多くの店で品切れになりました。ネットでは転売が横行し、高額で使い捨てマスクが売られたため、政府による規制が行われました。

一方では、マスクのハンドメイドなどが流行し、ファッションとしてマスクを取り入れるような文化も形成されました。

企業への自粛要請

新型コロナウイルスの流行によって、各国の政府は企業に対して経済活動の抑制を求めました。

日本では、営業自粛要請が求められ、飲食店は数ヶ月の間テイクアウトのみの営業に切り替えるなど、突然の営業方針の変更を強いられました。

多くの店舗が営業が出来ず、営業を自粛していない店舗には「こんなときに営業するな」と言った誹謗中傷や、物理的な嫌がらせをされるなどの「自粛警察」と呼ばれる人々が糾弾するような事態となりました。

経営者やそのスタッフは営業して利益を得なければその日を暮らしていけないケースもあり、なかには生活苦によって自殺を図る人々もいました。

テレワークの流行

知的労働をおこなうIT業界などは、自宅からのリモートワーク(テレワーク)を要請されました。出勤することによる感染リスクを避けるためであり、従業員はPCで仕事をするための環境を自宅に用意しなければなりませんでした。

Web会議システムが世界的に利用者が急増し、代表的なサービスであるZoomは1000万人ほどいたのユーザ数が30倍程度に増加したとのことです。

ZoomなどのWeb会議システムは、移動コストなく気軽にアクセスできるため、テレワーク中のサラリーマンの中には休憩するタイミングが取れず、「リモートワーク疲れ」なる社会問題も発生しました。

afterコロナ時代

そして、新型コロナウイスス感染症が終息した後の時代を「afterコロナ時代」と呼びます。

アフターコロナ時代には、今までの常識が塗り替えられて、人々の生活に関する価値観に、大きなパラダイムシフトが起きるものと予測されています。

テレワークの流行による自宅勤務の利便性や、Zoomを始めとするWeb会議システムの広い流通は、働き方改革の成し得たかったポイントに非常に近い現実です。

出勤時間を省くことで満員電車によるストレスが減り、仕事の効率は高まります。また、出勤しないことで、今まで職場における「なんとなくやっていた」類の無駄な業務タスクが炙り出され、真に効率的な時間の使い方に気づいた経営者やリーダーが多いのではないかと言われています。

今までの日本社会に蔓延していた終身雇用制度によって、所謂「窓際族」と呼ばれる生産的でない人員は、技術の進歩と相まって行き場を無くすことでしょう。

真に自分の力で考え、能率よく仕事をこなす自主性の高い人材が求められる世の中になります。事務職や、指示待ち人間、思考停止気味の人材は求職が難しくなり、一部のスキル保有者に仕事がより集中する様になると予測されます。

企業は店舗経営のリスクにも大きく気づきを得た時代でした。店舗による営業だけでは、再び感染症が流行した際に売り上げに大打撃を被ることは証明されました。

政府はいざとなれば国内の人々の外出を禁じ、経済活動を一切止めると言う強硬手段に出ることもわかりました。

一方で、オンライン販売やWebサービスの売り上げ、Uber Eatsなどのギグワークは極端な利益の向上を得て、市場として大きく成長しました。

生きている限り、未曾有の事態がどのような形で訪れるかは予想できません。社員を守る経営者として、売り上げの分散という一手を甘く捉えていたことを痛感した人は多いのではないでしょうか。

今後のビジネスシーンは、よりマルチなマネタイズが標準的になり、職人のような一点集中型のビジネスは新たな展開を見せると予測されます。

まとめ

新型コロナウイルスに有効な治療薬やワクチンの開発は未だ途上です。2021年になるだろうとの見通しも聞こえてきます。

今、世界中の人々は経験したことのない苦難を強いられています。生きるのにむずかしい状況のなか、更なる天災が襲い、命を危険に晒されることも予想しなければなりません。

アフターコロナ時代は、そんなリスクヘッジの考えが人々に根付いた社会になると考えられます。

ウイルス感染の予防はもちろん、更なる環境の変化にも耐えうるよう、今一度、生活環境やご自身のビジネスについて、見つめ直す機会を設けてはいかがでしょうか。