ロジックハラスメント
正論で相手を追い詰めることを、ロジックハラスメント、通称ロジハラというらしいとのニュースが話題です。
乙武洋匡さんのツイートがバズっていました。
今日はなぜこのような風潮となっているかを深堀してみたいと思います。
正論と感情論
ロジハラが焦点となったのは、コミュニケーション上の共感の不足と考えられます。
相手が共感を得られることなく、理詰めで否定されることが「ハラスメント」と感じるほど抵抗感があるということから、このような発想となったと考えられます。
感情論で語りたい人物と、そうではない理論で語りたい人物がぶつかったときに「ロジハラ」現象が発生します。
乙武さんの言うように、正論を言ってくれる人というのは貴重かもしれません。しかし、感情に対して正論を「ぶつける」という行為が、このハラスメントと感じるほどの不快感を与えているといえます。
感情は、行動につながる動機になります。
例えば、「やりたいことを見つからない」という悩みがあったとします。
その悩みに対して、「行動しなければ見つからない」という正論を返すとしましょう。悩みを抱いた当人は、行動したくても出来ない感情的理由があるはずなのです。
その感情を、無視して正論で屈服させるような行為が「ロジハラ」と言えるのではないでしょうか。
ロジハラ対策とは
このような、正論と感情論の衝突を回避することが、ロジハラ対策になります。
具体的なコミュニケーション上の対策を整理します。
相手の意見を受け入れる
聞き手側は、相手の意見を理解するよう努めなければなりません。もちろんそこには感情論もあります。正論で否定したくなるような内容もあるでしょう。
しかし、それらの様々な情報を含めて一旦は理解するのです。理解と納得は別ですので、理解はしたが、こういった考え方もあるという内容を言いたくなることもあります。
しかしそのアドバイスの押しつけは、相手が求めていなければ、攻める武器となってしまいます。相手が求めており、こちらも愛情をもって進言することで、初めて「アドバイス」として成立することとになります。
まずは相手の意見を受け入れる、「傾聴」の姿勢が対策の一歩になります。
逃げ道を残す
それでも正論を話さなければならない場合もあります。
その場合は、必ず逃げ道を残すように注意するとよいでしょう。正論の中にも、敢えて隙を残すことが重要です。
例えば、大半は正論ではあるけれど、自分もそのようなことは出来てない、など弱みを見せるなどが考えられます。
または、大半は正論ではあるけれど、ほとんどの人はそこまでストイックなことは出来にくいから、一緒に頑張ろうなどと、協力の姿勢を見せるなど、寄り添うコミュニケーションを意識するとよいでしょう。
ロジハラはパラハラの一種
このようにロジハラの本質は、結局のところ気遣いのない態度が原因であると考えられます。
それは昔ながらのパラハラの一種です。権力や場の影響力の強い人物が意見の通りやすい状況で正論だけを押し通し、相手に寄り添う姿勢がなければそれは圧力になってしまいます。
どんな場合も意見を言う場合には、相手の気持ちを考えられる大人になりたいものです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。