認知バイアスとは

認知バイアスとは、思い込みによる不合理な選択のことを指す言葉です。人の思考において必ず陥る可能性があります。
- 先入観
- 直感
- 恐怖
- 願望
これらによって、合理的な判断を歪めてしまい、主観的に物事の本質とは異なる解釈をしてしまう状態を、認知バイアスと言います。
例えば、旅行の計画を立てて実際に旅をしてみると、大抵の場合、大なり小なり予想と違う出来事が起きるでしょう。宿の雰囲気が思っていたイメージと違ったり、入浴の時間が男女交代制だったりなどです。
予想と相反する結果に対して、過剰に反応してしまうことはないでしょうか。
「どうして違うんだ」「なぜ交代制なのか」
と言った具合に怒りさえ覚えてしまうこともあります。
このように、「あの結果になるはずなのにおかしい」と、当初思い描いた結果に執着し、事実を事実として受容せず、不合理に結果を否定してしまいます。その結果、「おもしろくない」「嫌いだ」などの負の感情を抱いてしまうことになります。
認知バイアスの種類
認知バイアスにはいくつか種類があります。その例をいくつか紹介します。
確証バイアス
確証バイアスとは、事前に予測した結果と異なる、つまり確証を持っていた結果と異なる結果を否定してしまうという認知の歪みです。
先の旅行での想定外の例は、この確証バイアスによって予想と違う結果に憤りを感じてしまった、と言えます。
ハロー効果
外見やひとつ能力が優れていると、関連性のない他の能力も高いと認識してしまうことを「ハロー効果」と言います。
例えば、日本人なのに英語を話せるなんて、優秀なビジネスマンに違いない、と言ったように、英語とビジネスといった直接関連性の無い能力を結びつけてしまいます。
自己奉仕バイアス
「自己奉仕バイアス」とは、自分の関わった行動が、他人の結果よりうまくいく確率が高いと認識してしまうことです。
例えば仕事で自分のこなした仕事は上手くいっているのに、他人のトラブルが目立っているように思う事はないでしょうか。これは実際には、自分もミスをしたことがあるはずですが、「自分の関わった行動は上手くいくはずだ」という認知の歪みによるものであることが多いです。
バンドワゴン効果
世間の流行など、他社の評判を自分の判断理由の多くにしてしまうことを「バンドワゴン効果」と呼びます。
例えば、行列の出来る店が挙げられます。
席数を少なくし、行列を作る席数の少ないラーメン店などは、2つの観点でこの効果を利用しています。
1つ目は、まだ食べてもいないのに、「あれだけ行列が出来ていると言うことは美味しいに違いない」と認知してしまうこと。2つ目は、並んでいない状態よりも、ストレスから解放されることで幸福感が上乗せされ、味の満足度が高まるという効果です。
認知バイアスとの付き合い方
認知バイアスは、誰にでもあることで、生活の中でも度々陥る心理的作用です。
バンドワゴン効果のラーメン屋の例のように、認知バイアスを研究する事で大いにマーケティングに応用する事ができます。席数を減らし行列を作るだけで、集客数が向上するという戦略が成り立つのです。
正常な思考を歪めてしまい、客観的な視点が抜けた主観的な思考回路によって判断の正常性を欠くことを利用していますが、これを悪用された例もあることを知りましょう。
マルチ商法なども、このバンドワゴン効果を始めとする認知バイアスを複数取り入れた戦略です。「みんな買っているから大丈夫」というバンドワゴン効果や、「自分が販売に関わっているから売れるはずだ」という自己奉仕バイアスなどが該当します。
経営者なども自身の事業やプロジェクトは、自己奉仕バイアスによって成功を信じるあまり、客観的なリスク管理が充分出来ずに倒産することがありますので、注意が必要です。
誰しも持つ感覚であるので、自然なことではありますが、認知バイアスに深く陥り、判断を歪めてしまわないよう、自己と事実を客観的にとらえるよう注意しましょう。
コミュニケーションの上でも、相手がこのような認知バイアスによって、ネガティブに陥っている場合は、ゆっくりでも、その認知の歪みを解いてあげるよう手を差し伸べてみてはいかがでしょうか。