書評

【絵本】まってる。 |Davide Cali (原著), Serge Bloch (原著), 小山 薫堂 (翻訳)

【絵本】まってる。 |Davide Cali (原著), Serge Bloch (原著), 小山 薫堂 (翻訳)

今日のおすすめ本は、小山薫堂さん訳の絵本「まってる。」を紹介します。

原著のデビット・カリは、スイス生まれ、イタリア育ちの漫画作家です。
1998年に最初の子どもの本をイタリアで出版され、以来60冊以上を出版し、30ヵ国以上で翻訳されています。
本書「まってる。」でバオバブ賞を受賞されています。

翻訳の小山薫堂さんは放送作家として有名です。
この本を知ったのは、小山さんがパーソナリティを務められているTOKYO FMのラジオ「日本郵便 SUNDAY’S POSTで紹介されたことがきっかけでした。
小山さん自身、複数絵本を翻訳されているなかで一番好きな一冊として挙げられていました。

待ってる。
このキーワードが繰り返し疲れているこの絵本は、
赤い糸がカラーで描かれ、
何かを待つ人々が描かれていきます。

雨が止むのを待つひと、
恋人との再開を待つひと、
生まれてくるこどもを待つひと。

たくさんの何かを待つ人々のシーンにはそれぞれ異なる感情で何かを待っていることに気付かされます。

自分にとって経験のある「待ってる。」シーンには、
そのとき、そういう気持ちだったなと思い返させてくれます。

読み終える頃には、大切な人々をもっともっと大切にしたい気持ちでいっぱいになります。
まるで眠っていたその気持ちが目を覚ましたように熱を帯び、
なぜか自然と涙が溢れました。(歳かもしれません)

きっと読む年代によっても読後感が違う一冊になると思います。
読まれた方はぜひ感想をコメントで教えてくださいね。