周囲にこのような人はいませんか?
- 考えを話してくれない
- 言われたことしかやらない
- 自己主張が強い
- 他人の意見を否定して怒る
このような言動をする人物は、思考停止に陥っている可能性があります。今日は、思考停止の特徴と原因、対策を整理してみます。
もし、このような対人関係にお悩みであれば参考にされてみてください。
思考停止の特徴
思考停止の特徴は大別して以下に2つに分けられます。
- 何事にも無関心
- 何事も点で捉えてしまう
それぞれ、どういった行動をしてしまうかを解説します。
何事にも無関心
思考停止の特徴のひとつ目は、何事にも無関心であることです。無関心であるが故に以下の特徴がよく見られます。
空気が読めない
思考停止に陥った人は、周囲に関心がないので、空気が読めないことが多いです。
疑問に感じない
また、事象に対して正しいかどうかに関心がないため、真に受けてしまい、疑問を感じなくなります。自分の意見がありません。
夢や目標がない
自分の将来にも無関心であるので、夢や目標を抱くことができません。よく職場で上司に「何がしたいの?」と聞かれているダメ新人を見たことがありませんか?
全て該当するわけではありませんが、そういった問いを持たれてしまうほど思考が浅いことを表しています。
点で捉える
思考停止の特徴のふたつ目は、何事も点で捉えてしまうということです。何事も点で捉えてしまうため、以下の特徴がよく見られます。
思い込みが激しい
思考停止に陥ったひとは、物事を点で捉えがちです。その一点が、それ以上の可能性がないものと捉えるため、その一点に固執してしまいます。
その一点から外れた議論に発展すると、理不尽に怒り散らすことすらあります。本来は、物事には必ず裏の側面があったり、経緯や将来の展開があるはずですが、その想像ができないため、視野が狭いような印象を周囲は持ってしまいます。
諦めが早い
また、諦めが早いこともその特徴です。その一点以外の可能性を思考から排除するため、その一点が上手くいかなければ諦めてしまいます。
本来は、やり方を見直したり、別の可能性を探るものですが、その想像ができません。すぐ諦めてしまい、周囲に余計な仕事を与えてしまうような行動をとってしまいがちです。
継続が出来ない
点と点をつなげる発想がないため、毎日の継続ができません。
思考停止に陥ると、毎日の積み重ねで何かが得られる未来の想像が出来なくなります。その場かぎりのメリットしか考えられず、地道に努力した先の自分が得られる恩恵まで思考を巡らすことができないのです。
思考停止に陥る原因
思考停止は、現代病の一種と考えられています。
その理由は、あまりに世界が便利すぎるため、自分で考える必要性を見失っていることにあります。実際、今の日本では、(一旦コロナ禍などの諸問題に目を瞑れば)何も考えなくても生きていけてる人がほとんどです。
一例として、日本社会において食べ物に困ることはありません。コンビニに行けば、好きなものを再現なく買って食べることができます。結果、栄養バランスが崩れ、脳内伝達物質のバランスが崩れることで正常な思考が出来なくなっていることも、具体的な一因です。
思考停止に陥った人々は、日々、刺激がない生活を送っています。明日死ぬかもしれない、といった危機感はありません。
きっと明日もご飯が食べれる、仕事がなくなっても別の仕事がある、きっと誰かがなんとかしてくれる、といった他力本願な思考に陥っています。
これは、日本の先進国としての生活保障や社会福祉制度、企業の福利厚生が、程よく国民に浸透しているためとも考えられます。
「何かあっても、個人ではなくそれらのシステム的な仕組みに頼れる」という無意識の安心が生まれ、結果的に一部の人々の生活の活力が失われています。
思考停止の予防・改善方法
思考停止を改善する、予防する方法は3つです。
- 環境を変える
- 趣味を増やす
- コーチング
ひとつずつ解説していきます。
環境を変える
思考停止の対策の一つは、環境を変えることです。住まいや仕事の環境など、付き合う友人なども、思い切って大胆に変えることです。
いつも同じ場所で、同じ人との会話をし、毎日同じ仕事の繰り返しでは生活はどうしても単調になります。
人付き合いを変え、思い切って生活する場所を変えることで、「考えざるを得ない要素」を強制的に増やすことをお勧めします。
始めは刺激であっても、何十回と繰り返すことでそれは刺激ではなくなり、日常になります。日常は多くのことを考えずに過ごすことのできる状態で、思考停止を広める一因となります。
今、あなたの周りに「日常」しかないのであれば、新しい環境の変化を取り入れてみてはいかがでしょうか。
趣味を増やす
趣味を増やすことも思考停止の対策になります。私は、アウトドアや楽器の演奏にチャレンジしてみることをお勧めします。
アウトドアは昨今ブームになっていて、始めやすいと思います。一度、自然という現代社会の恩恵から距離を取ることで気づくことがあります。
自分の力で想像し、創造しなければならないことがどれほど多いのか気づきを得ることができます。テレビやスマートフォンからの情報だけでなく、自然の機微な変化から得られる情報を自分で探すことで、脳のスイッチを変えるきっかけを得られやすいと考えています。
音楽は紀元前の時代から人々を虜にしてきた魅力があります。音楽は、心地の良い周波数とその協和音を生み出す喜び、そして感動を与えてくれます。
楽器の演奏もお勧めです。始めは上手く演奏できません。練習に取り組むことで、上手く演奏するにはどう弾けばよいのかを自ら考え、工夫します。
何より、演奏出来たという喜びは、心に感動を与えてくれます。そして、「自分の力で心を動かす」という体験をポジティブに捉えることができます。
演奏による感動体験は、自ら考え工夫することの素晴らしさを体験としてインプットすることができ、思考停止を脱却するきっかけを得られやすいと考えています。
もし、周囲に思考停止な人物がいれば、そのような環境の変化や趣味を提案されてみてはいかがでしょうか。
コーチング
3つめはコーチングによる予防、改善です。
既に思考停止に陥っているならば、当人から改善に取り掛かることが難しい状況です。現実的には、第三者がそれに気付き、改善の手をさしのべることが考えられます。
ここで改善のためにコーチングの手法を取ります。コーチングとは、当人の学習やトレーニングの補助をすることで、潜在能力を最大化させることです。
思考停止に陥った人物には、考えさせること、そしてアウトプットさせることが重要です。まずは、起きている事実(ファクト)をそのままアウトプットしてもらいます。そして徐々に、そのファクトへの感想を述べさせます。
ファクトの表現が曖昧な部分については、その理由を述べさせます。不明点が見えてくれば、明確にするためのアクションを促し、再度、曖昧だったファクトについてアウトプットさせます。
このように段階を踏んでアウトプットを促すことで、徐々に思考の練習をすることができます。予防としても、ファクトに関する感想・意見を書き出すことは有用です。
この改善方法は、継続が重要です。多くの場合は、思考停止に陥った人物に任せてしまい、途中でやめてしまいます。結果、元の思考停止状態に戻ってしまいます。
クセになるまで根気強く当人に付き合うことが大事で、指導者にもそれ相応の技術と時間、何より愛情が必要となります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。思考停止に陥ってしまうと、その期間は多大な機会損失になります。一見楽に見えると思いますが、信用を失い、仕事や友人を失い、その後の人生が不幸になりかねません。
もし、自分も予備軍かもな、と感じたら、ぜひ思考の癖をつけるよう行動を変えてみてはどうでしょうか。