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本に出会う旅 【長野県】

本と出会う旅

新型コロナウイルスの感染者数が減った隙をつくように旅をしている。知り合いのつてを頼って今年は長野県を2回ほど巡った。

旅の間は疲れを癒すことを最優先にしつつ、折角の見知らぬ土地なのだから、現地の書店をぜひ巡りたいとアンテナを張って行動することにしていた。

どこかへ行く時はその土地の書店にはいると、現地の情報や歴史を感じることができて面白い。

軽井沢書店

5月には軽井沢駅前の「軽井沢書店」にふらっと足を踏み入れた。

店員さんも明るく、少しの間だったが談話に付き合っていただいた。なんだかお互いに笑ってしまって楽しい時間だった。

外観もさることながら店内も大変にゴシックな装いで、カフェも併設されており居心地の良い空間を演出されていた。朝だったため、トーストとコーヒーを召し上がり、付き合っていただいた社長さんと一緒にビジネス論を交わしたのが楽しい思い出だ。

店内には軽井沢の歴史に関する書籍が並び、過去に西武が撤退した影響で大きく変わった様子や現在の軽井沢の楽しみ方などが丁寧に紹介されている。

そちらで購入したのはこちらの2冊。軽井沢の素敵な一面を知ることができた「軽井沢週末だより」は、写真の美しさと、軽井沢の四季折々のよいところが、旅情も相まって追体験することができた。

こちらの「スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 01」も軽井沢書店で購入。ソーシャルイノベーションという研究分野に専門的な学びを得ることができた。

善光寺参道の長野西澤書店

5月に訪れた際には、偶然にも善光寺が7年に一度の本尊御開帳の期間で、ご案内いただいた。

寺前の参道は立派な観光地で、多くの人が行き交い、各店舗もコロナ期間であるからか、例年ほどまで混雑はしていないとのことだった。

参道を歩いていると見かけたのは「長野西澤書店」。

善光寺の本尊「善光寺式阿弥陀三尊」は、絶対秘仏とされ、西暦654年に天竺から伝わったものとされている。とてつもない歴史を持つ善光寺だが、焼失と再建を経て現在に至る。

この歴史に関する書物は多く、「長野西澤書店」の店頭には善光寺に関する書籍が多く並ぶ。

鎌倉時代には、頼朝に追われる源義経が弁慶を連れて匿われたとされているが、主君の妻である静御前の訃報に嘆いた弁慶によって曲げられた柱がある、など多くの逸話が残されている。

「長野西澤書店」で購入した「伝説の寺、善光寺」には、これらの多くの逸話が記されており、歴史をなぞるだけではないストーリー性を持って善光寺に愛着が湧く良い書籍だ。

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パン屋さんにして書店 サパンジ

長野を訪れるのは二度目。2022年10月下旬のこと。

名目は従業員の慰労旅行だったのだが、個人的な裏テーマとして「本と出会う旅」をこっそりと設定し、本にまつわる何かを探して旅をした。

松本城を散策した帰り、松本の街を夕方に散策していると、本棚を置くパン屋さんが街角に佇んでいた。

どうやら書店を兼ねるようで、店内に入ると絵本を中心に哲学書などを置いていた。店員さんに話を伺うと、本を目当てに訪れてくれたことに話が弾み、奥で作業中の店長さんを読んでいただき、店舗のいきさつを伺った。

どうやら松本駅付近では新しい形態の店舗などに意欲的なようで、もともとはパン屋さんだったが、パン屋さん+書店という形はその流れで始めたそうである。店長もとても気さくで優しい方で楽しく話をさせていただいた。

パン屋さんと本屋さん。どちらも魅力的な職業であるし、その両方を兼ね備えてしまうスタイルはとても素敵で、内装も街角の小さな本屋さんという出立ちでとても好きになった。

こちらでは「千年の読書」を購入。書店員による読書エッセイで、サブタイトルにある「人生を変える本当の出会い」について語られる。

こうした旅の中で出会う本というのは、ネットや近所の書店で買う本にはない「物語」を与えてくれる。本を旅の中に探すというのは、読書体験として特別感を与えてくれる。

購入した現地の書店の空気感、話をさせていただいた書店員の方々、その地元の風景、匂い、流れた時間が、書籍に記憶されるかのようである。

ハルニレテラス 丸山珈琲

ゆっくりとした午後の時間はハルニレテラスの丸山珈琲でくつろいだ。

バリューブックス社とコラボしており、購入可能な古本・新刊に囲まれた店内でコーヒーをいただくことができる。

ここでは、古本として置いてあった「野中モモの「ZINE」 小さなわたしのメディアを作る」を購入。
ZINEという自主出版の書籍は、小さな書店の特徴を出す一冊として注目されていて、私も何冊か所有している。

その書店でしか買えないレアリティもあり、誰でも作れるという形態であるがゆえの手作り感がまた暖かい。そんなZINEの文化を深く知りたいという気分に、軽井沢のコーヒーの香りとともに味わうのもいいなという思いで手に取った。

 

ハルニレテラス 紅葉図書館

ハルニレテラスでは、「紅葉図書館」というイベントをやっており、野外に本棚を置き、絵本や古本などを展示していた。購入もできるようである。

紅葉の色めく過ごしやすい季節に、屋外で本を気ままに手に取り、ゆっくりとした時間を体験するには最適なイベントである。期間内に是非訪れてほしい。